
Netflixのドラマ『あの日の夜は』。感想とネタバレあり。
あらすじ
ドミニカ共和国へ移住したクリス。そんなクリスの元に姉妹であるパウラとエレナ、そしてパウラの恋人ルイサがドミニカへ旅行に来た。クリスは念願の動物保護施設を立ち上げ、恋人のザヒと幸せに暮らしていた。そんな幸せ絶頂な中、旅行に来た妹エレナが問題を起こす。
夜、エレナからの電話に出るとエレナは取り乱したようにクリスに助けを求めた。クリスはエレナの元に着くが驚くべき光景を目の当たりにする。なんと車のすぐ側でひとりの男が倒れており、死んでいた。エレナは事故だったと終始パニックになっていた。しかもその男は警官だった。
もうひとりの姉妹パウロは妹を守るため男を埋めて隠蔽することを提案し、三姉妹は地面を掘り男を埋めた。そしてその後、三姉妹の身に脅威が迫ることになる…。
登場人物
◯クリス
三姉妹の長女。ドミニカ共和国へ移住し動物保護施設を開設する。
◯パウラ
三姉妹の次女。獣医師。
◯エレナ
三姉妹の末っ子。シングルマザー。
◯ルイサ
パウラの恋人。
◯ハビエル
三姉妹の父。獣医師。
◯アネ
エレナの娘。
感想(ネタバレなし)
おすすめ度:★★★★☆
登場人物それぞれのパートごとに物語が進行していく構成のドラマ。それぞれの想いや出来事や葛藤、様々な人間模様が描かれており、見応えのある作品でした。いかに“この殺人事件をどこまで隠蔽できるか”笑えるわけではないですがこの3人のドタバタ劇が面白い。やばい、バレるかも!?っていう場面がどんどん出てくるわけで、目が離せないくらいにこっちもドキドキでした。
ラストは全く予想してない展開でなんだか切ないと言うか、感慨深いと言うか。決してハッピーエンドとは言えませんが姉妹の愛を感じる結末でした。人間味あっていいね。暗〜いバッドエンドな作品が大好きな私ですが、登場人物それぞれの想いや決断に、ああ…自分だったらどうするかな、と考えさせられる作品です。ひとりの人間の人生を描いたようなリアリティーある物語、私はとても楽しめました。
以下ネタバレ注意
ストーリー:序盤
エレナの事故を隠そうと奮闘する三姉妹はドミニカからスペインへ帰ろうとします。クリスはせっかく手に入れた幸せを手放すことを嫌がりドミニカに残ろうとしますが、状況が状況なので姉妹と共にドミニカを出ざるを得ない為、嫌々ながらも姉妹と共に逃げる準備を進めます。
以下、登場人物ごとにストーリーが進んでいきます。
クリス
幸せ絶頂で理想の暮らしをするクリスはこの姉妹が訪れることによって最悪な事態へと巻き込まれます。とにかく隠蔽工作。ある意味被害者でもある…と見ていて思いました。
恋人ザヒ
エレナのせいでドミニカを去らなければならなくなったクリスは最後の別れを言いにザヒの家を訪れます。しかしザヒには家族がおり、なんと子どももいました。クリスはザヒにデート代とか学校の受講料とかお金つぎ込んでたのにね。結局はただの男娼で良いように利用されてたんです。
お揃いのタトゥーまで入れたのに…。
パウラ
同じくパウラもエレナのために隠蔽しようと動きます。しかし、死んだ警官の警察手帳などをトイレに流している時、とある紙を見つけます。その紙にはエレナの“出国禁止命令”海外に逃走する恐れありなどと不穏な内容が書かれていた。パウラはエレナが自分たちに何かを隠していることに気づきました。
そしてパウラにも恋人ルイサとの関係に確執がありました。
ルイサとの関係
恋人のルイサは女性で、いわゆるレズビアンカップルです。ふたりは子どもを持つことを望み、一度はパウラが体外受精で妊娠を試みますが妊娠することはできませんでした。そして二度目を行ない、ドミニカ旅行の際に妊娠したことが発覚します。しかしその事をルイサには告げずにいました。
悩みに悩んで中絶を決意したパウロは薬局へ向かい、中絶用の薬を購入。ですが買ったものの気持ちの整理がつかずその時は使いませんでした。
まあ色々あってルイサには妊娠したことを告げます。ルイサは喜んでいたけどパウラは心から喜んでいるようではありませんでした。
エレナ
エレナも同じく娘のアネを守るため、必死で殺人の隠蔽に必死でした。しかし、この殺人事件には真実がありクリスとパウラにも隠していました。
殺人事件の真実
殺人事件が起きた2日前、エレナはプールでとある男性に出くわします。なんとその男性こそアネの父ウィルでした。ウィルはアネの親権を主張してきたんですね。(ちなみにウィルとはクラブでたまたま出会って一夜を過ごした相手です)ドミニカの法律では父親の親権を保障しているとのことでアネを言い方悪いけど要は奪いたかったんです。それができないなら10万ドルよこせ、と。鼻からお金目当てなのかそうなのか、いや今思うとお金目当てだったのかなぁ。てことでアネを引き渡したくないエレナはお金を用意するためにいろんなところを駆け巡りますが10万ドルなんて用意できるわけがなくて…。
てことで殺害してしまいます。はい、被害者の警官はアネの父親であるウィルだったんです。脅されていた為アネを守るため仕方なく…そんなところです。
その後ウィルに湖に沈められたから仕方なくやった、と姉妹には言います。
ルイサ
とにかくこの三姉妹のドタバタ劇を怪しく思っていました。そしてパウラの様子がおかしいことにも気づき、最初は浮気を疑いました。
パウラの行動を探る
浮気だと思い、パウラにプレゼントした時計(GPS仕込んでました)の行方を辿り、薬局に寄っていることに気づきます。そしてスペインへ帰国後、どうしても腑に落ちないルイサはその薬局へ電話をしますが薬局の店員はパウラのことを聞かれ激昂。二度と電話してくるな、とかなりのご立腹。なんとなーく察したルイサは確信を得るため、動物病院(三姉妹の父ハビエルが経営している)へ行き受付のエレナに探りを入れます。
そしてエレナは口を滑らせ、ルイサは激怒。オペ中のパウラの元へ駆けつけ別れを告げます。
ストーリー:中盤
無事スペインに戻りましたがクリスはネットニュースを見てエレナが殺してしまった男の顔を見て、エレナがあの時遊んだ男だと気づきます。クリスはエレナとパウラを公園に呼び出しそのことを問い詰め3人は口論に。元はと言えばクリスがドミニカなんかに住んだりするから〜などとお互いを批判しあうことに。
というわけですぐにこの殺人がバレて警察が病院へ突入します。三姉妹はあっけなく逮捕。まあこの後一旦は保護観察付きで釈放されます。
ルイサはパウラに別れを告げたものの、手を貸します。しかし三姉妹と父ハビエルは家族同士でまたもや意見が合わず、最終的にクリスは出頭し「父が嘘の供述をしろ」と強要したことを自白するのです。
逃亡
父は娘たちを守るためパウラとエレナそしてアネを連れてフランスへ逃亡しようとします。険しい山道を辿り、フランスへの道の中盤のところで狩人に見つかり通報され呆気なく捕まりました。
ハビエル
ハビエルは信仰深い人物でしたが、何よりも娘を大切にする父親です。娘たちを助けようと弁護士の友人などに助けを求めるも、当然ながら勝てない裁判を受けてくれるはずもなく。どうにかもがきながらもフランスへ逃亡することを選択するが失敗してしまいました。
ストーリー:後半
エレナは殺人の実行犯として懲役30年の刑で捕まり、パウラも嘘を重ね捜査を撹乱したため懲役4年で捕まりました。ただ、パウラはフランスへ逃亡中に転んでしまい赤ちゃんを流産してしまったためその時は病院にいます。そしてルイサは最後の別れを告げにきました。パウラは別れたくないようでしたがルイサに迷いはありませんでした。
エレナと面会
クリス(自白したのもあり事件に協力したため逮捕されてません)はアネを抱いてエレナの元へ面会へ行きます。エレナは喜ぶわけでもなくなんなら来るなよぐらいの態度です。まだアネが小さいこともあり、母乳が必要なため1日に2回ここで授乳する許可が降ります。しかしエレナはそれを拒否。アネを自分から遠ざけようとします。
“真実は話す人で変わる”
エレナはそう言い去りました。
ちなみにエレナの弁護側は“ウィルに睡眠薬を盛られたため逆上してやった”と供述していたが実際はエレナがウィルの飲み物に薬を盛ろうとしたが失敗している映像が見つかってしまいます。嘘の供述がバレ、ドミニカ側には有利になりエレナは重い刑期で捕まったというわけです。
エレナは残酷にもウィルを一方的に車でなん度もなん度も轢き殺していたのです。泣きながらでも娘の為なら、という思いで。
アネ
時は越え23年後。記者となったアネはこの事件に関する全ての資料や会話のやり取りをした音声を聴いていました。そこに年老いたクリスが現れ、2人はドミニカへと向かいます。クリスはアネの母親として育てあげていました。
家族の苦しみ
実はクリスたちには弟がいました。その弟とエレナは母からお風呂場で沈められ、しまいには弟とエレナを抱いてマンションから飛び降ります。エレナだけが助かりますが、姉妹はこのことでトラウマがあり母のような人間にはなりたくないという思いに姉妹は取り憑かれ今もなお苦しみから解放されることができませんでした。姉ふたりはこうなる前に助けれたはずなのに、と後悔し続けていました。
真実と事実
そしてクリスたちはドミニカに住んでいるパウラと会います。年老いたパウラは仕事をしながらも質素な暮らしをしていました。稼いだお金をずっとエレナに送っていました。
パウラはエレナを救って欲しいがためにクリスとアネを呼んでいました。裁判でウィルに脅されたエレナは娘のアネを守るために殺害するしかなかったという事実をアネに証言して欲しかったんです。クリスはパウロを非難。エレナは自業自得だと。そしてエレナ不在の中裁判が行われました。
そして裁判所でアネは証言します。”母親は娘と離れない為なら何でもする‘’というハビエルが残した言葉。しかし結果として離れ離れになってしまった。真実と事実、私は事実を信じる。“正しい”か“間違い”の二択だと。
“母は凶悪で保身の為に殺人を犯した”
“怯えた母親は娘を守る為に過ちを犯した”
アネは後者を選びますと告げます。彼女に善人になる機会をくださいと裁判官に告げ、無事エレナは釈放されました。
エレナの釈放
エレナは釈放され、クリスとパウロと再会し喜びを分かち合います。そこにアネはいませんでした。エレナが23年間アネを遠ざけたように、同じようにアネもエレナに会うことなくスペインへ帰りました。
エレナは“初めて正しいことをした”とクリスとパウラと抱き合い3人で笑い合いました。
感想(ネタバレあり)
ラストはすごく考えさせられけど理解するのには結構難しい内容でした。エレナは自分の犯した罪にアネの人生を巻き込みたくないために敢えて断ち切った、同じようにアネもそれに応えたような決断をとったというかそんな感じなのかな。語彙力なくてすみません。
捉え方が間違っているかもしれないけどエレナにとってはそれが初めての正しい判断。アネの為に殺人という選択をとってしまった、それをアネが知ってしまっていたらアネ自身も自分のせいでエレナは罪を犯してしまったと言う罪悪感に苛まれてこの23年を過ごしていたかもしれない。さらに面会とかしてたりすると余計ね、アネに悲しい思いをさせしまっていただろうに。だったらアネとは全く関係のないただの殺人という形にし、この23年一切関わることをやめ、アネに自分に対する憎しみや恨むような思いをさせない為、自分たちがいまだに母親に囚われているようにアネにも同じ思いをさせないようにした“正しい選択”だったんだと思います。
まあどう感じるかは人それぞれだと思うんでこれが正しいわけじゃないです。やっぱ自分の母親が自分の為に罪を犯してしまった、という事件を実際母親がおこしていたら正気じゃいられない。悲しいよりも憎しみが勝っちゃいます。
まさかの母親に囚われた三姉妹の重いストーリーでした。ある意味長い時を経て報われたようにも見えますね。
終わりに
というわけで今回は『ある日の夜に』の感想・ネタバレでした。
ここまで読んでいただきありがとうございました。また次回の記事でお会いしましょう!

