Netflix『ウンジュンとサンヨン』感想・解説(ネタバレ注意)

ウンジュンとサンヨン ドラマ
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ウンジュンとサンヨン
出典:Netflix

Netflixオリジナルドラマ『ウンジュンとサンヨン』。ネタバレなし・ネタバレありで感想を綴ります!まだ観ていない方はネタバレなしをご覧くださいね!

あらすじ

脚本家のウンジュンはかつての親友で映画制作会社『ツバメ・ピクチャーズ』の代表であるサンヨンから連絡をもらう。気の乗らないウンジュンだったが待ち合わせのカフェに向かいふたりは10年ぶりの再会を果たす。そしてサンヨンから末期癌を患っていることを聞かされ、一緒にスイスに来てほしいと頼まれる。しかしウンジュンはサンヨンを突き放しその話を断る。なぜウンジュンはサンヨンを嫌うのか。その理由を10代から現在までの出来事を回想し徐々にふたりの関係が明らかになる。

登場人物

リュ・ウンジュン
脚本家。サンヨンのことを酷く嫌っている。

チョン・サンヨン
ツバメ・ピクチャーズの代表。ウンジュンのかつての親友。

キム・サンハク
映画監督。大学時代のウンジュンの恋人。

◯チョン・サンハク
サンヨンの兄。ウンジュンの初恋の相手。

感想(ネタバレなし)

これは久々に号泣した作品です。めちゃくちゃ悲しいし感動します。けどふたりの過去から現在までのエピソードを見ていると色んな感情が出てくる。子どもの頃の出会いはお互い最悪な印象だったけど徐々に仲良くなって気づいた時には親友になっていた。でもとある事を境にふたりは疎遠になるも、運命なのか必然なのかまたもや再会することになるんです。すごい現実味あるストーリーに思わず自分の過去を思い出す様な懐かしい気持ちにもなる不思議な感覚でした。

でもね、何がっては言いませんがとにかくサンヨンにムカつきます。観てもらえばわかると思いますが1話でウンジュンが嫌っている理由が回を重ねるごとにわかっていくんですけど観ていてこっちも腹たってくるレベル。そりゃそんなことされてきたのに安楽死のために一緒にスイス行こう!って言われて誰が行くかよ!ってなるのも納得です。ウンジュンからして見れば“末期癌”をだしにして都合よく振り回されるのはもうゴメンだよね。でもねラストは涙なしには観られない悲しくて切ない、でもどことなくふたりの切っても切れない絆を再確認する姿がなんとも言えない…。ウンジュン役のキム・ゴウンの演技が本当にすごい。そんなんこっちも泣くに決まってんだろ!ってくらいハンパない演技力です。
とにかく泣けるけど人間味溢れるある意味温かいドラマが好きな方におすすめです!

ここからはネタバレ注意











解説(ネタバレあり)

ウンジュンとサンヨンの10代から現在までのふたりの物語を主にウンジュン目線で語られるストーリー。以下、年代ごとに物語をまとめています。

小学生〜中学生

小学生の時、ウンジュンは転校してきたサンヨンと出会う。サンヨンはお金もちで容姿端麗で頭も良くクラスの男子からは人気者だった。女子から人気だったウンジュンの隣の席の男子もサンヨンが好きでウンジュンを含めた女子たちがそれに嫉妬していた。

■ウンジュンとユン先生の出会い
家が貧しく父親を事故で失ったウンジュンは片親であることをクラスの男子にからかわれ酷く落ち込む。そんな姿を国語の教師であるユン先生が目撃し、自分も父親がいなかったことを話しウンジュンを慰める。そこからウンジュンはユン先生を慕いふたりの仲は深まる。そして後に判明したのがユン先生はサンヨンの母親だった。

そうして中学生になったふたり。相変わらずサンヨンは頭が良くテストの結果も学年1位。ウンジュンも10位以内に入るもサンヨンには及ばず。それでもウンジュンの周りにはいつも友達がいて楽しい学校生活を送っていた。
そして文化祭でウンジュンは仲良し3人組でダンスを披露する予定だったがひとりが怪我をし出られなくなり3人は困っていた。それを聞いていたサンヨンが代わりに自分がやると言い、文化祭でのダンスは無事盛り上がり成功を収めた。そのダンスをきっかけにふたりは仲良くなりサンヨンの家に遊びに行く仲になる。

■ウンジュンとサンハクの出会い
ある日サンヨンの家に行くとサンヨンの兄であるサンハクに出会う。このサンハクが後にウンジュンの初恋の相手となる。サンハクはカメラが大好きで無口で物静かだったがウンジュンと話す時は笑顔を見せ楽しそうにしていたがそれをサンヨンは良く思っていなかった。

サンヨンはウンジュンは大好きなたったひとりの友達だったが兄や母がウンジュンに優しくするのが気に入らないのが露骨に態度に出始める。ウンジュンが兄のことが好きなことを知り、ウンジュンに兄に恋人がいることを伝える。それを聞いたウンジュンは少しガッカリする。

ある日サンヨンは兄の様子がおかしいことに気づきサンヨンの部屋を漁ると日記を見つける。その日記には恋人とは別れた様な内容が書かれてあった。それをウンジュンに見せ彼女と別れたから落ち込んでいるのでは、とサンヨンは推測するもウンジュンは何か引っかかるようだった。後日ウンジュンはサンヨンの家に泊まる。目が覚めトイレに向かうとサンハクに出くわす。そして急にサンハクはカメラの撮り方を教えると言いウンジュンは撮り方を教えてもらう。色んな写真を撮った後タイマー撮影で一緒にツーショットを撮った。するとサンハクはウンジュンにカメラをあげると言う。徴兵制のため軍隊に入るからカメラはもう撮れないからとのこと。ウンジュンは断るがやっぱり1週間だけ貸してほしいと言いカメラを受け取る。
この時がサンハクを見た最後の日だった。

ウンジュンは借りたカメラのネガを現像しに写真屋さんに行くがモノクロネガは特殊な方法で現像しているためモノクロ専門のお店に行くと良いとお店の人に言われる。そのお店を探している時サンヨンからポケベルでメッセージが届いた。公衆電話からサンヨンに電話すると「お兄ちゃんが死んだ」とサンヨンは言った。

ウンジュンが最後に会った3日後にサンハクは山で遺体となって発見された。自殺だった。その後サンヨンは引っ越しふたりはそれっきり会うことはなかった。

大学生

入学したウンジュンは写真サークルにあのモノクロネガを持っていき現像できるか聞いてみると現像するならサークルに入ってと言われサークルに入会することに。するとサークル部員がとある人物を“サンハク”と呼びウンジュンはドキッとする。しかしその人物は“チョン・サンハク”ではなく“キム・サンハク”という人物だった。

キム・サンハク“先輩”との出会い
同じサンハクに出会いウンジュンは困惑していた。サンハク“お兄ちゃん”とは真逆で先輩は明るくお喋りでお調子者のムードメーカー。しかしふたりは共通してカメラがとても好きでカメラや写真の話になると楽しそうに笑顔で話す。そんな先輩をウンジュンはサンハク“お兄ちゃん”と面影を重ねていた。そしていつしかふたりは付き合うことになり、大学での名物カップルとなっていた。

サンヨンとの再会
ウンジュンは2年生になり新入生が新しく写真サークルに入部してきた。その新入生の中にサンヨンがいることに気づき、ふたりは目が合うとお互いに微笑んだ。ここでふたりは中学生以来の再会を果たしたのだった。引っ越した後、サンヨンの両親は離婚し母親であるユン先生は生徒とのトラブルで教師をクビになっていた。ウンジュンが知っている裕福な暮らしをしていたあのサンヨンの姿はなく今はバイトを切り詰め安いボロアパートに住んでいることを知った。ウンジュンはサンヨンの力になりたいとお金を出しふたりで住む家を借り引っ越した。

サンヨンはサンハク先輩と仲良くなり3人で過ごす日が増えるようになった。とある日、ウンジュンはユン先生(サンヨンの母親)に会いたいとサンヨンに伝えるもサンヨンは母親を嫌っているようで前向きではなかった。それでもウンジュンが会いたがっている姿を見てウンジュンとサンハクと共に一緒に会いに行くことにした。
ユン先生はあの時の様な広くて綺麗な家ではなく古くて狭いアパートにひとり暮らしをしていた。ユン先生と再会しふたりは喜び合う。そしてあの時サンハクの部屋の引き出しにこっそり入れていたサンハク宛ての手紙をユン先生に渡された。サンハクはこの手紙を見ることなくこの世を去っていた。ユン先生は手紙を見つけた時どうしても捨てきれず大事にとっていたのだ。ふたりは涙を流し抱き合った。
外で待っていたサンヨンの姿を見てサンハクはウンジュンの初恋の相手はサンヨンの兄だと察した。サンヨンは自分は母親から愛されていない、と弱音と家族に対する憎しみを吐露した。そんな姿を見てサンハクはサンヨンに同情するのであった。

サンヨンの過去の回想

実はサンヨンは偶然ウンジュンと同じ大学で同じサークルに入ったわけではなかった。
サンヨンは高校を卒業して進学もせず毎日ひきこもっていた。サンハクが残したパソコンを見つけ起動するとロックがかかっていた。そのパスワードを何日も何日もかけてついにロックを解除することに成功する。
パソコンの中にはとあるチャットが残っていた。サンハクはそのチャットグループで“ムニ”というハンドルネームでチャット仲間と交流をしていた。サンハクと同じようにカメラが好きなメンバーでやりとりをしている履歴があり、その中でも“メンダル”という人物がサンハクのことを「アニキ」と呼ぶくらいに慕っているようだった。このグループのメンバーは“ムニ”が亡くなったことは知らないようだった。

“メンダル”からチャットグループのメンバーたちが集まることを知らされサンヨンは集合する居酒屋へこっそり行くことに。お店に入るとメンバーらしき人たちがすでに集まっておりサンヨンは隣の席につき聞き耳を立てる。そのメンバーは“ムニ”が来ないことに対し苛立っており“ムニ”の悪口を言い出す。しかし“メンダル”という人物らしき人だけは“ムニ”を庇っており、ふたりは口論の末喧嘩になった。突き飛ばされた“メンダル”はサンヨンの席にぶつかり謝る。サンヨンは兄を慕う“メンダル”を見て気になりだした。そして最後に“ムニ”として“メンダル”にメッセージを送ったのであった。

それからチャットグループにサンヨンとして参加し“メンダル”やチャット仲間と交流しだす。“メンダル”と個人チャットもするようになり色んな話で盛り上がりサンヨンはこの時間を楽しみにバイトに明け暮れる日々を送った。そして“メンダル”が展示会を開くことを知りまたもやこっそりその展示会に行くことにした。そこで“メンダル”を見つけカメラ越しに見つめていたサンヨン。すると同じ大学の仲間との会話を聞き耳を疑った。“メンダル”は兄と同じサンハクという名前だった。驚きを隠せずその場を去ったサンヨンだったがこれをきっかけに“メンダル”ことサンハクと同じ大学へ進学することを決めたのであった。

そして念願のサンハクのいる大学へ合格し、同じ写真サークルへ入部する。しかしそのサークルにはウンジュンがおり、サンハクと付き合っていることを知り内心ガッカリするのであった。

“ムニ=サンヨンの兄”と知ったキム・サンハク

サンヨンは次第にサンハクと過ごす時間が増える。サンハクもいつも悲しげなサンヨンを見て気にかけるようになっていた。
とある日、ウンジュンはサンハクお兄ちゃんからもらったあのネガを現像する。そしてサンハクお兄ちゃんが映った写真をサンハクに見せた。サンハクはそれを見て“ムニ”は“亡くなったサンヨンの兄”であることに気づく。いたたまれない気持ちが押し寄せウンジュンと別れた後、サンヨンを呼び出しそのことを話す。そして“ムニ”の代わりにチャットをくれたのは君だったんだねと。

それからサンヨンは兄が自殺した理由を知りたいためサンハクにお願いをする。当時のチャットグループに“ディラン”という女性がおりその女性と兄は付き合っていたようだからその人と話がしたいと。その女性に連絡をとるためサンハクはディランの連絡先を人づてに聞くことに。
サンハクは徴兵制で軍に入ることになるが、ウンジュンには内緒でその間もふたりは手紙を通してやりとりをしていた。

ウンジュンはサンハクとサンヨンが手紙のやりとりをしていることに気づく。サンヨンを問い詰めるがサンヨンは兄の真相を探るためだとは言わずにはぐらかす。これをきっかけにふたりの間に亀裂が入り出した。

サンヨンは“ディラン”ことジヨンの連絡先を知り連絡するもジヨンは電話に出ることはなかった。サンヨンに頼まれサンハクはジヨンと会うことになる。そしてジヨンから“ムニ”ことチョン・サンハクの秘密を告げられサンハクは戸惑いと悲しみの表情を見せる。ジヨンはこの事実をサンヨンが受け止めれるか心配だったため先にサンハクに伝えたのであった。

サンヨンはジヨンの家に向かい兄の秘密を聞くもあまりの衝撃に呆然とする。ジヨンの家を出た後、絶望と悲しみが押し寄せ山の中でひとり咽び泣く。

兄サンハクの死の真実
とある日ジヨンは映画館にいた女性が落とし物をしたため、それを拾いその女性に渡した。なんとその女性は女装したサンハクだった。ジヨンは顔を背け逃げるように去っていったサンハクを追いかけ一緒に食事に行こうとサンハクを食事に誘ったのであった。それからふたりは“友達”としてなんの変哲もない日々を共に過ごした。
サンハクは女装した自分を偏見も持たずに受け入れてくれたジヨンに今まで抱いていた葛藤や恐怖、そんな負の感情を払拭した“本当の自分”でいられる世界をくれたことをとても嬉しく思い同時に感謝していた。しかし、そんな自分を家族にさらけ出すことができず逃げるという選択をとってしまったサンハクは自ら命を絶ったのであった。
(サンヨンが見つけたサンハクの日記に書かれていた“Mへ”はおそらくサンハクの本当の自分である“ムニ”のことかと。“ムニ”になることで本当の自分をさらけ出すことができた。今は“ムニ”から逃げるけど覚悟ができたら本当の自分“ムニ”に戻る、それまでは“ムニ”とはお別れだ。そんな内容の日記だったと思います。解釈違いでしたらすみません。)

サンハクは山の中でひたすら泣くサンヨンを見つけ車に乗せサンヨンを家まで送る。
その間ウンジュンはサンヨンを探しに行き連絡が取れなくなったサンハクになぜ電源を落としたのか、サンヨンのことが好きなのかを問い詰める。サンハクはうまく答えられずウンジョンからの信頼を失い別れを告げられる。

ウンジュンはサンハクと別れたあと大学を休学した。
サンヨンは母が倒れたことを知り病院に行くも末期癌だと告げられる。その後まもなくして母は亡くなりひとりぼっちになったサンヨンは泣きながらウンジュンに電話をするもウンジュンはその電話に出ることはなかった。その後サンヨンはウンジュンに今まで借りたお金を返しに行き、今後は二度と会わないと決別しふたりはそれっきり会うことはなかった。

社会人

時が経ちウンジュンは映像制作会社で映画プロデューサーとして働いていた。大きなプロジェクトも成功させ順調な社会生活を送っていた。ウンジュンは『グッドマン』という映画のメインプロデューサーとしてプロジェクトを進めていた。そしてその作品の監督としてキョン・スンジュ監督が決まるも、スンジュは監督になる条件としてとある人物をメインプロデューサーにすることを提示してきていた。その人物は運命なのか必然なのか、かつての親友サンヨンだった。またしてもサンヨンと再会することになったウンジュンは本部長に抗議するも受け入れてもらえず、仕方なく共同プロデューサーとしてサンヨンと共にプロジェクトを進めることになった。

そして共同監督としてこれもまた運命なのか、ウンジュンのかつての恋人キム・サンハク監督が推薦されウンジュンはサンハクと再会を果たす。サンハクは一度は断るもサンヨンから再びお願いされここでも断る。しかしウンジュンが改めてお願いし、サンハクは承諾する。サンハクがウンジュンの頼みで承諾したことに対しサンヨンは面白くなかったのかウンジュンにかつてのような劣等感を抱く。
こうして大学時代のサークル仲間である3人が時を越えて再会し、一緒に仕事をすることになった。

複雑な三角関係
サンハクは未だにウンジュンに未練があり、再びウンジュンに告白する。ウンジュンはその場で返事はしなかった。そんなサンハクのことをサンヨンは未だに好きでサンハクに告白するも見事にフラれる。サンヨンはウンジュンに先輩と付き合わないで欲しい、私には先輩しかいないと泣きつく。そんな必死なサンヨンにイラつきながらも戸惑う。そしてウンジュンはサンハクに自分の気持ちを正直に伝え、告白を断った。それに対しサンハクも納得しお互い吹っ切れ、同じ仕事仲間として良い関係を築くことができた。

そして『グッドマン』の制作途中でトラブルが起きる。主演の俳優との暴力沙汰により製作陣からの謝罪を理不尽に要求される。この件を丸く収めるためサンヨンが謝罪し責任を取る形でプロジェクトを退き会社も退職してしまう。そしてサンヨンは独立し映画制作会社『ツバメ・ピクチャーズ』を設立する。さらにウンジュンのプロジェクト『青春ロマンス』を買取り、何人かの監督も引き抜く。サンヨンはウンジュンが順調なことが気に入らない、とウンジュンに告げふたりは絶交。ここでふたりの友情は完全に終わったはずだった。

現在(40代)

過去の因縁があったふたりだが、サンヨンはウンジュンと最期の時を過ごしたいとお願いする。サンヨンの持つビルをウンジュンに譲ろうとするもウンジュンは断りスイス行きも拒否した。しかしウンジュンの家にサンヨンが押し掛け数日だけ泊まらせてと勝手に居座る。ウンジュンはサンヨンの勝手な言動にイラつくがサンヨンの病状の深刻さを目の当たりにするもうんざりしたウンジュンはサンヨンを家から追い出す。
しかし、ウンジュンの元を訪れたサンヨンの部下から話を聞きサンヨンの事が気になり出す。ウンジュンは後日サンヨンの家を訪れた。

サンヨンはウンジュンにもう1度友達になりたい、とウンジュンに懇願する。ウンジュンはサンヨンを元気付けようと近場で旅行しようと計画を立てる。ウンジュンはがん患者が気をつけないといけないことなど入念に調べ旅行へ行くための準備をした。旅行当日、ウンジュンはサンヨンの家を訪れたが家の前には救急車が来ていた。サンヨンは意識が朦朧としておりウンジュンも共に病院へ付き添った。サンヨンの弱りきった姿にウンジュンは心を痛める。

そしてウンジュンはサンヨンと共にスイスへ行くことを決心する。ウンジュンはサンヨンの気が変わったらふたりで韓国に戻れるよう、ふたり分の往復チケットを取ることをサンヨンと約束する。そしてスイスへ行く日、サンヨンは空港でウンジュンを待っていた。しかし時間が経ってもウンジュンの姿は現れず、サンヨンは諦めてひとりで行こうと歩きだす。すると目の前にウンジュンが立っていた。ふたりはしばらく見つめ合い、優しく微笑み合った。

スイスに着いたふたりは残された時間を共に過ごした。ドライブをしたりオシャレなレストランで食事したり、かつての幼い頃のように笑い合いながら。サンヨンの心には一切迷いがなく、安楽死を望み最期の時までウンジュンとの時間を楽しんだ。

ふたりの最後の夜、ベットで横になり他愛もない会話をした。今日は寝たくない、起きていようと。そしてお互い感謝の気持ちを伝える。サンヨンは相変わらず皮肉めいたことを言うがウンジュンはフッと笑った。今にも眠ってしまいそうなサンヨンはウンジュンにハグしてくれるか問うがそのまま静かに眠ってしまう。ウンジュンはサンヨンの頭を優しく撫でるも涙を堪えきれず部屋を出て大粒の涙を流した。

翌日、サンヨンの最期の時が訪れた。ふたりは手を繋いでその場へ向かった。サンヨンはウンジュンにハグしてと言い、ふたりはハグをする。また会えたら良い友達になれる、また会おうねと最期に会話を交わした。サンヨンはベットに横になる。サンヨンは迷いもためらいもなくバルブを開けた。ウンジュンはサンヨンの最期は笑顔で送ろうと笑おうとするがうまく笑えず涙がこぼれる。ウンジュンはサンヨンの頭を撫で、震える声でお疲れさまよく頑張ったねと声をかける。サンヨンはゆっくりと静かに眠るように息をひきとった。ウンジュンはサンヨンの最期を看取り涙を流した。

感想(ネタバレあり)

というわけでストーリーとしてはこんな感じです。ふたりの学生時代から大人になった現在までの友情と憎しみが詰まったヒューマンドラマ。大好きな親友だけどお互い憎くて大っ嫌いな、なんだか矛盾した関係のふたり。

■お互い本当は羨ましかった
ウンジュンは頭が良くて容姿端麗で裕福なサンヨンが羨ましかった。サンヨンはいつも周りに友達がいっぱいいて何事もうまくいっていて優しいお母さんをもつウンジュンが羨ましかった。要はないものねだりなんですよね。

孤独だったサンヨンはウンジュンが羨ましくて憎くて仕方なかった。だからこそウンジュンにきつくあたり、ウンジュンの持つもの全てを奪うためにありとあらゆる手を使う。大人になっても子どもみたいな闘争心というかウンジュンに対する劣等感のような強い気持ちが憎しみに変わっていつしかウンジュンに執着していて。こうして見ると子どもみたいで可愛いじゃんって思うかもしれないけど、まあだいぶウンジュンに酷いことしてるんで最終話まではみんなきっとサンヨンのことが嫌いなはずw

そんでサンヨンの兄サンハクにはだいぶ心が痛みました。彼は最後まで報われなかったな、、と。お母さんは本当は気づいていたんですよね。でもそれを受け入れてあげることができなかったんです。だからサンヨンはお母さんを責めるんですけどそこもなんか、なんとも言えませんよね。ただただ悲しい。サンハクには幸せになって欲しかったな。

最終話はもう涙なしには観れない。大号泣ですよ。なんだかんだでウンジュンはサンヨンのことを大事に思っている感じが伝わってきましたよね。ウンジュンは昔から本当に優しい子でしたね。あんなに酷いことされて許せなかったはずなのに最後はサンヨンに寄り添い、最期を看取る。人の“死”を目の当たりにすること、その後の残された側のことを考えると簡単には引き受けられないですよ普通は。ウンジュンは自分が苦しむことを理解しつつもサンヨンに付き添ったと思うともう切なすぎて言葉にならないです。

あらすじからサンヨンの最期までを綴った物語だとわかっているはずなのに、やっぱりこればっかりは泣かない方が無理ですよ。最初にも言ってますがとにかくウンジュン役のキム・ゴウンの演技がやばい。凄すぎる。どうしてもウンジュンに感情移入してしまうんで自然と私も涙出ました。テーマ的には映画『世界一キライなあなたに』に似ているのかなぁと。こっちもね、悲しいです。安楽死に対して当事者の気持ちを考えると否定できない部分もある、かと言ってそれを受け入れるのも難しいですよね。何が正しいか、それはその人次第なんだなとこのふたつの作品を観てとても痛感させられました。

終わりに

というわけで今回は『ウンジュンとサンヨン』の感想と解説でした。私的には星5レベルのおすすめドラマです。いつもはサスペンスばっかり観ていたのでこういう作品は新鮮でした。号泣必至なのでハンカチ用意して観ましょうね!

ここまで読んでいただきありがとうございました。また次回の記事でお会いしましょう!

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中の人
カエルの飼い主

不眠症に悩む30代女。海外ドラマ・映画が大好き。基本サスペンスしか観ません。主にNetflixとAmazonプライムビデオを紹介してます。カエルという名の黄色い頭のインコを飼ってます。気になる方はインスタをこっそり見てください。

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